宮古島のはなし vol.1
近年ではニセコか宮古かといわれるくらい不動産業界でも注目を集めている宮古島ですが、投資対象として本当に魅力的なのでしょうか。
いわゆる「宮古島」とは、宮古島、来間島、伊良部島、下地島、池間島、大神島の6島からなり、正式には宮古諸島とといいます。主な産業は、農業と観光。かつて移住者もほとんどなく、島の歴史を受け継いだ文化の残る静かな島でした。その宮古島もバブルを迎えていると話題になってはや9年を迎えます。
2015年に伊良部大橋が開通し、それまで船でしか渡れなかった島々がつながり始めます。そして、2019年には国際空港として下地島空港が誕生。もともと訓練飛行場だった空港に、国際線、国内線、プライベートジェットの離着陸がはじまり、宮古の国際的なリゾート開発が始まりました。
島内を走ってみるといろいろな場所で工事が進んでいるのがわかります。なかにはなんらかの事情で工事がとまってしまい廃墟化している物件なんかもあります。宮古島の開発は最近はじまったわけではなく、1984年には東急が、1993年にはユニマットグループ、その後、森トラストのイラフ SUI ラグジュアリーコレクションホテル 、三菱地所のヒルトン沖縄宮古島、飯田産業のシーウッドホテル、三光ソフランによるブルーオーシャン ホテル&リゾートなどなど、数々の大手企業が進出してきた。
一方で、地元の不安は見逃せません。今まで気軽に遊びにいけた海岸に行くことができない。多くの浜辺が企業のものになり、ホテルの敷地になってしまう。宮古島の海岸線が、全て本土企業に買い占めらてしまうのではないか、と。しかしながら、基幹産業としてサトウキビだけでは経済は成り立たず、観光は大きな柱になっています。観光で多くの人が来島し、おカネをつかう、宿泊施設での雇用に産業が支えられているのも事実。ただ、見慣れた景色がどんどん変わっていくのは寂しい。リゾートに限らずナイチャー企業の進出を地元民が手放しに喜んでいるわけではないので、しっかりとした理念をもって向きあっていくことが大切です。
下地島空港が国際空港として生まれ変わり、今年には韓国や香港から直行便が就航。確実に外国人観光客も増えていくことになりますから、当然、グレードの高い宿泊施設が必要となります。大手による建設ラッシュはさることながら、中心街である平良だけではなく、伊良部や来間など、これまで注目を集めてこなかったエリアの活用にも注目が集まってくるとみています。
投資という観点でいえば第一に、国内でも有数の観光地であり、年間を通して多くの観光客が訪れていて、この流れはますます加速するでしょう。そのため、観光軸でのに宿泊施設やレジャー施設の需要が高く、特に宿泊施設においては島内全体の稼働率も高止まりしていて、ラグジュアリークラスの施設は慢性的に不足しています。一方で、開発用地へのアプローチが難しい市場性から、まだまだ宮古島への投資妙味は高いといえるでしょう。沖縄本島や他の離島と比べてまだまだ開発途上であること、観光需要の増加やインフラ整備の加速、反面、取得可能用地の希少性から、不動産価格の上昇も見込めます。
次回は守るべき宮古島の自然や生態系について考えていきたいと思います。
(つづく)