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不動産投資における利益の仕組みとは?手法ごとのメリットを解説!

不動産投資

中野 治

筆者 中野 治

宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー®️・古家再生投資プランナー®️・一級建物アドバイザー
20年以上の経験を活かし、住宅購入や不動産、資産運用、ライフプランに関するアドバイスを提供。初めての不動産売却や物件購入、借り換えを検討中の方に寄り添った提案が得意。セミナーやブログを通じて、不動産や資産形成に関する情報を発信中。

不動産投資で利益を得るための手法には、インカムゲインとキャピタルゲインという2つの方法があります。

不動産投資でしっかりと収益を出すには、この2つの方法について正しく理解しておくことが大切です。
今回は、不動産投資をご検討中の方に向けて、インカムゲインとキャピタルゲインの概要やメリットを解説します。

不動産投資の利益の仕組み:インカムゲイン

不動産投資の利益の仕組み:インカムゲイン

不動産投資で利益を上げる手法の1つに、インカムゲインがあります。
どのような仕組みで利益が得られるのか、概要や特徴を確認しておきましょう。

インカムゲインとは?

インカムゲインとは、資産を保有していることで得られる収入の総称です。
不動産投資でいえば、賃貸による家賃収入が挙げられます。
インカムゲインを得る仕組みは、以下のとおりです。

●投資用不動産を購入する
●不動産を第三者に貸し出す
●入居者から定期的に家賃を得る


投資用物件の購入には、ローンを利用するのが一般的です。
そのため、入居者から回収した家賃は、基本的にローンの返済に充てることになるでしょう。
ローン完済後は家賃がそのまま収入となりますが、経費として管理費や保険料、固定資産税などがかかります。
これら経費を差し引いたあとの収入は不動産所得と呼ばれ、給与所得と合算して確定申告をする必要があります。
ただし、不動産所得が年間20万円を超えない場合は、原則として所得税の確定申告は必要ありません。

インカムゲインの特徴

不動産投資におけるインカムゲインの特徴は、比較的ローリスクかつ安定性が高いことです。
1度に得られる利益は少額ですが、入居者が決まれば長期にわたって継続的なリターンを得られます。
また、インカムゲインの収益源として民泊運営も注目されています。
民泊の場合、物件の利用期間は一般的なアパートよりも短いですが、収益を得る仕組みは変わりません。
ただし、入居と宿泊ではニーズが異なるので、民泊運営を検討する際はその違いを理解することが大切です。
基本的に、不動産投資やアパート経営をおこなう方は、インカムゲインによる家賃収入がメインになるでしょう。

不動産投資の利益の仕組み:キャピタルゲイン

不動産投資の利益の仕組み:キャピタルゲイン

不動産投資で利益を得るための2つ目の手法は、キャピタルゲインです。
インカムゲインとキャピタルゲインには、どのような違いがあるのでしょうか。
ここからは、キャピタルゲインの概要や特徴について解説します。

キャピタルゲインとは?

キャピタルゲインとは、不動産を売却して得られる利益のことです。
キャピタルゲイン以外の呼び方としては「売却益」や「転売益」などがあります。
キャピタルゲインを得る仕組みは、以下のとおりです。

●投資用不動産を購入する
●購入時よりも高値で売却する


キャピタルゲインを得るためには、資産価値の上昇が見込める地域や物件を予測・調査することが重要です。
バブル期は不動産の価値が上昇していたので、キャピタルゲインによって利益を得ようとする方が多く存在していました。
しかし、ハイリスクハイリターンの性質があることから、多くの不動産投資家がインカムゲイン狙いに方向転換しています。
なお、個人が不動産売却によって得た利益は譲渡所得として扱われ、譲渡所得には譲渡所得税がかかります。
譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間が5年以内であれば39.63%、所有期間が5年超えの場合は20.315%です。
所有期間が長いほうがお得になる理由は、バブル期に横行した土地の転売(土地転がし)を防止するためです。
キャピタルゲインを狙う際は、不動産の種類や立地、市況などを加味したうえで、売却時期を見極める必要があります。

キャピタルゲインの特徴

キャピタルゲインはインカムゲインとは異なり、投資元本である不動産が手元からなくなる点が特徴です。
少額の収益を継続的に得るのではなく、上手に売却すれば短期間で大きな収益が見込めます。
ただし、必ずしもプラスで売却できるとは限らず、タイミングを間違えると大きな損失に繋がるリスクもあります。
また、短期間で売買すると高い税金がかかるため、プラスマイナスで利益が残らない可能性もあるでしょう。

不動産投資の利益の仕組み:メリットとリスク

不動産投資の利益の仕組み:メリットとリスク

ここまでインカムゲインとキャピタルゲインの特徴を解説してきましたが、どちらを選択するか迷う方もいらっしゃるでしょう。
大きな収益を得られるのがキャピタルゲインですが、その分リスクがあり、売却のタイミングをしっかり見極める必要があります。
一方で、インカムゲインは、ローリスクで初心者の方にもおすすめですが、キャピタルゲインのようにまとまった資金は得られません。
どちらの手法を選ぶか判断に迷う場合は、それぞれの手法のメリットとリスクを比較した上で判断するのがおすすめです。
ここからは、インカムゲインとキャピタルゲインのメリットやリスクについて解説します。

インカムゲインのメリットとリスク

インカムゲインのメリットは、ローリスクで長期的な利益が得られ、本職以外にも収入源を持てることです。
一度に得られる金額は少額ですが、長期的に見れば大きな利益となり、失業や収入減などのリスクに備えられます。
ローンの支払いを終えて手元に残るお金が増えれば、老後資産として貯蓄することも可能です。
また、区分所有(マンションやアパートを1部屋のみ所有すること)から始められる点も大きなメリットです。
初めは副業として区分投資をおこない、慣れてきたらマンションやアパートを1棟まるごと運用していく方法もあります。
ただし、空室が発生すると利益が減少するため、ローンの返済に影響が出る可能性があります。
空室リスクを抑えるためには、交通の利便性や周辺環境などをチェックし、需要の高い物件を選ぶことが重要です。

キャピタルゲインのメリットとリスク

キャピタルゲインには、短期間で大きな利益が得られるというメリットがあります。
インカムゲインの場合、配当や利息などの収入を得るには、一定期間は売買せずに投資対象の資産を保有し続けなければなりません。
キャピタルゲインなら、市場における資産の価格変動に伴ってこまめに売買を繰り返すことで、利益を積み上げていくことが可能です。
ただし、不動産の価値が上がるとは限らず、損失を出す可能性が高いというデメリットもあります。
また、適切な売り時を見極めるため、こまめに市場における資産の価格変動などをチェックしておかなければなりません。

収益を得るには物件選びが大切

先述したように、近年はインカムゲインを目指して不動産投資をおこなう方が増えています。
インカムゲインで懸念される空室リスクは、複数の区分マンションを所有することで回避できます。
また、インカムゲインだけに絞らず、キャピタルゲインも考慮して両者をバランスよく追求することも可能です。
どちらの方法においても、物件選びが非常に重要です。
せっかくローンを組んで物件を購入しても、需要がなければインカムゲインもキャピタルゲインも得ることができません。
まずは、ターゲットを明確にして、立地環境や建物の品質などをしっかりと調査したうえで判断することが大切です。

まとめ

インカムゲインは賃貸による家賃収入、キャピタルゲインは不動産の売却によって得られる利益を指します。
ローリスクで長期的に資産を増やしたい方はインカムゲイン、短期で大きな利益を得たい方はキャピタルゲインを狙うのがおすすめです。
どちらの手法にもリスクがあるので、両者の長所短所を十分に把握し、リスク管理の方法をしっかり考えたうえで実践しましょう。


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