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賃貸経営の基本!スマート賃貸物件の概要とメリット・デメリットを解説

不動産投資

中野 治

筆者 中野 治

宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー®️・古家再生投資プランナー®️・一級建物アドバイザー
20年以上の経験を活かし、住宅購入や不動産、資産運用、ライフプランに関するアドバイスを提供。初めての不動産売却や物件購入、借り換えを検討中の方に寄り添った提案が得意。セミナーやブログを通じて、不動産や資産形成に関する情報を発信中。

不動産投資の一種である賃貸経営において、近年ではスマート賃貸物件がひとつの選択肢になっています。

しかし、近年に登場した新しい形態であるため、どのような物件でメリット・デメリットは何なのか、まだご存じない方が多いでしょう。
そこで今回は、スマート賃貸物件とは何か、経営時のメリット・デメリットを解説します。

スマート賃貸物件とは?経営にあたっての基本

スマート賃貸物件とは?経営にあたっての基本

賃貸経営を始めるにあたっては、物件の概要を押さえておくことが大事です。
スマート賃貸物件とは何かについて、押さえたい基本は以下のとおりです。

物件の概要

スマート賃貸物件とは、近年の情報通信技術を活用して居住性を高めた新しい物件であり、IoT賃貸物件とも呼ばれます。
IoTとは「Internet of Things」の頭文字であり、意味はインターネットで物をつなぐことです。
従来、インターネットがつなぐのは、主にパソコンなどの情報通信機器でした。
しかし、技術が発達した現在、情報通信機器以外の道具や家電も、インターネットで接続可能となっています。
IoTを導入し、さまざまな道具や家電をインターネットでつないでいる住宅は、スマートホームなどと呼びます。
この住宅を賃貸物件にしたものが、スマート賃貸物件です。
実際に入居希望者へと物件を貸し出し、引き換えに家賃収入を得るのが、スマート賃貸物件の経営にあたります。

主な設備

スマート賃貸物件にある設備のうち、IoTを導入しているものには、まず玄関の鍵が挙げられます。
IoTを用いた鍵はスマートロックなどと呼ばれ、防犯性が高めです。
また、インターネットで接続されているため、スマートフォンなどを用い、施錠・解錠が遠隔操作で可能です。
鍵を持っていない子どもが先に帰宅したとき、保護者が外出先から玄関を開けてあげられます。
次に挙げられるのは、給湯器やエアコンです。
スマートロックと同じく、どちらの設備もIoTを導入していれば、外出先から機器を操作できます。
自宅に着く少し前にスイッチを入れておくと、帰宅したときには浴槽にお湯がたまっていたり、部屋に冷暖房が効いていたりして快適です。
このほかでは、インターフォンにIoTを用いると、不在時にもスマートフォンを通じて来客に対応できます。
スマート賃貸物件には、以上のような設備があり、入居者はより快適な暮らしを送れます。

物件の将来性

スマート賃貸物件は、現時点だと数が少ないものの、将来性は期待できます。
スマートホームは、従来の住宅にはない住み心地があり、共働き世帯などには便利です。
近年の新築分譲マンションには、IoT設備が最初から備わっている物件が増えています。
分譲住宅の造りは、やがて賃貸物件にも広がっていくのが一般的です。
そのため、今後の賃貸経営を考えるうえで、スマート賃貸物件には注目しておくことをおすすめします。

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スマート賃貸物件を経営するメリット

スマート賃貸物件を経営するメリット

スマート賃貸物件には、従来の住宅にはない特徴があり、経営時にはいくつかのメリットが期待できます。
経営者にとっての主なメリットは、以下のとおりです。

良い空室対策になる

スマート賃貸物件は、入居者にとってメリットのある住宅ですが、現時点ではあまり数が見られません。
自身の賃貸物件をスマートホームにしておけば、その時点で類似物件との差別化につながり、入居者探しにおいて有利です。
そして入居者は、快適に暮らせる賃貸物件には長く住むものです。
スマートロックをはじめとする、数々のIoT設備で住み心地が向上していると、空室が出にくくなります。
入居者1人あたりの居住期間が長くなるのは、賃貸経営において有利です。
入居者が入れ替わるときは、室内の状態に応じて、壁紙の張り替えなどを適宜おこなわなくてはなりません。
それだけ手間や費用が増えてしまいますが、それぞれの入居者が長く住んでくれれば、入れ替わりにともなう負担が軽減されます。
そして空室が出にくく、退去者が出てもすぐに次の入居者が決まるなら、常に満室を維持しやすくなります。
それだけ運用の効率が良くなり、利益を最大化しやすいことは、経営者にとってのメリットです。

管理費を節約できることがある

スマート賃貸物件では、IoTを用いて業務を効率化し、管理費を節約できる可能性があります。
IoTに対応している管理会社では、一部の業務を自動化している例が見られます。
自動化の余地がある業務とは、家賃の回収やほかの業者への発注などです。
これまで人力で個別におこなっていた業務を自動化すれば、人件費などを節約できます。
その効果で、管理費を以前より下げられる会社が登場しています。
家賃の回収に関する進捗など、経営している物件の状況は、パソコンやスマートフォンなどで確認可能です。
このような新しい管理の形態は、経営者にとって便利です。
そのため、経営している賃貸物件のスマートホーム化が、多くの会社から提案されるものと見られています。

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スマート賃貸物件を経営するデメリット

スマート賃貸物件を経営するデメリット

スマート賃貸物件には、上記のようなメリットがある一方、経営者にとってのデメリットもいくつか挙げられます。
事前に確認したい主なデメリットは、以下のとおりです。

設備の故障対策が必要

経営者にとってのデメリットは、まず設備の故障対策にあります。
賃貸物件において、経営者の所有物にあたる設備は、故障時に修繕費がかかるものです。
入居者に費用を請求できるのは、設備が故意に壊されたケースなどに限られます。
通常どおりの使用で故障したものは、修繕費の負担が避けられません。
そのため、経営者のほうで用意する設備は、少ないほうが良いといわれていました。
実際に、日常生活に必要な設備は、以前は入居者が自身で持ち込むものでした。
しかし、現在は状況が変わっており、エアコンや温水洗浄便座など、いくつかの設備は経営者のほうで用意するケースが普通になっています。
さらにIoT設備まで整えると、設備が故障したときの負担がより重くなってしまいます。
設備が故障したときに困らないよう、日頃から対策を考えておく必要があることは、経営者にとってのデメリットです。

相応のセキュリティーが求められる

スマート賃貸物件のデメリットのひとつには、セキュリティーを整える負担が挙げられます。
IoT設備は、インターネットに常時接続されていないと、十分に機能しません。
インターネットと常時接続する以上は、セキュリティーが重要です。
とくに監視カメラは、不正アクセスによる悪用に注意が必要です。
入居者が安心して暮らせるよう、経営者のほうで相応のセキュリティーを整える必要があり、それだけ手間や費用がかかります。

管理会社が少ない

賃貸経営にあたり、日頃の業務は管理会社に委託したいところでしょう。
しかし、スマート賃貸物件の管理には専門知識が必要であり、現時点では対応可能な会社が少ない状況にあります。
現時点で選べるのは、スマートホームを専門としている会社か、一部の大手企業のみです。
管理会社があまり見つからなかったり、希望していた会社を選べなかったりするのは、気を付けたいデメリットです。

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まとめ

スマート賃貸物件とは、IoTを用いて居住性を高めた新しい物件であり、主な設備には遠隔操作が可能なスマートロック・給湯器・エアコンなどが挙げられます。
経営者にとってのメリットは類似物件との差別化ができ、良い空室対策になるうえ、管理費も節約できる可能性があることです。
一方のデメリットには、設備の故障対策が必要なうえ、相応のセキュリティーが求められたり、対応可能な管理会社が少なかったりすることです。

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