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不動産売却時にインスペクションは必要?メリットと費用を解説

不動産売却

中野 治

筆者 中野 治

宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー®️・古家再生投資プランナー®️・一級建物アドバイザー
20年以上の経験を活かし、住宅購入や不動産、資産運用、ライフプランに関するアドバイスを提供。初めての不動産売却や物件購入、借り換えを検討中の方に寄り添った提案が得意。セミナーやブログを通じて、不動産や資産形成に関する情報を発信中。

中古物件を売却する際は、状態に不安を抱くケースも少なくありません。

そこで、インスペクションを実施しておくと、物件の現状を客観的に把握できるため、安心して売買を進めやすくなります。
本記事では、インスペクションとはなにか、実施するメリットや費用相場について解説します。
不動産の売却を検討されている方は、ぜひ参考になさってください。

不動産売却におけるインスペクションとは?

不動産売却におけるインスペクションとは?

不動産を売却する際に「インスペクション」を耳にしたことがある方も多いでしょう。
インスペクションとは、住宅の専門家(建築士など)が物件の劣化状況や欠陥の有無を調査することを指します。
具体的には、建物の構造部分や雨漏り、シロアリ被害など、目に見えにくい部分を含めてチェックします。
とくに中古物件を売却するときは、インスペクションを実施しておくと安心です。

インスペクションの必要性と義務化の動き

近年は中古住宅取引の活性化や売買トラブルの防止を目的として、インスペクションを推進する動きが高まっています。
2018年の宅地建物取引業法改正により、不動産会社は契約時に「建物状況調査(インスペクション)」の実施の有無や実施結果について説明することが義務付けられました。
ただし、実際に調査を受けるかどうかは任意であり、すべての物件で必ず実施しなければならないわけではありません。
しかし、売却後のトラブルを防ぐためにも、状況に応じて早めに検討することが望まれます。

インスペクションを受けるタイミングと実施前の流れ

インスペクションを受ける理想的なタイミングは、売却活動を始める前か、買主から調査を求められた段階です。
売却前に実施しておくと、建物の状態が明確になり、買主に安心感を与えるだけでなく、適正な価格設定にも役立ちます。
一方で、買主の要望に応じて後から受ける場合は、短期間での対応が求められることがあるため、余裕をもった準備が必要です。
インスペクションを依頼する際は、まず不動産会社や専門の調査会社に相談します。
調査内容や費用、日程などを確認し、調査範囲が自分の希望に合っているかを十分に確認しましょう。
そのあと、専門家が現地を訪れ、建物の外観、室内、床下、屋根裏などを調査します。
結果の報告書には劣化の状況や補修が必要な箇所などが記載されるため、修繕が必要な場合はその見積もりも併せて検討しましょう。

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不動産売却前にインスペクションをするメリットとは?

不動産売却前にインスペクションをするメリットとは?

不動産を売却する際、売主と買主の間で円滑な取引を進めるためには、事前のインスペクションが役立ちます。
不動産売却前にインスペクションを実施することで得られるメリットは、以下のとおりです。

①建物状態の「把握」による価格交渉のスムーズ化

不動産の売却では、建物の老朽化や損傷の程度が価格に大きく影響します。
インスペクションを事前に受けると、専門家の目で建物の内部や外部の状態を正確に把握できるため、適正な売却価格を設定しやすくなるでしょう。
たとえば、雨漏りやシロアリ被害などの重大な欠陥がある場合、売主が修繕したうえで売りに出すか、修繕費用を考慮した価格を提示すると、買主からの信頼を得やすくなります。
こうした情報開示がスムーズに行われると、価格交渉にかかる時間を減らせ、売却活動も効率的に進められます。

②事前の不安を取り除き「安心」して取引できる

中古住宅の場合、外から見ただけではわからない部分に不備が潜んでいることがあります。
買主は建物の安全性や住み心地に対する不安が大きいため、こうした疑問を解消する手段としてインスペクションが活用されます。
売主側があらかじめ専門家の検査を受け、報告書を提示することで安心材料を提供できる点は大きなメリットです。
結果として、買主も納得したうえで検討を進められ、売主も「隠れた不具合がないか」という心配を軽減できます。
お互いに情報を共有すると、信頼関係が育まれ、スピーディかつ納得感のある売買契約が期待できます。

③契約後の「トラブル」を防止し、スムーズな引き渡しを実現

売却後に建物の不具合が見つかった場合、買主から修繕請求を受けたり、最悪の場合は契約解除や損害賠償問題に発展したりする可能性があります。
こうしたトラブルは、時間的・金銭的な負担だけでなく、精神的なストレスにもつながります。
しかし、事前にインスペクションを実施しておけば、報告書に基づいて必要な修繕や補強を把握し、対応したうえで売買契約を交わすことが可能です。
結果として、引き渡し後のクレームや追加コストの発生リスクを最小限に抑えられ、売主・買主ともに安心して物件を引き渡し、引き受けることができます。

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不動産売却時のインスペクションにかかる費用の目安

不動産売却時のインスペクションにかかる費用の目安

インスペクションの実施には「どのくらいの費用がかかるのか分からない」と感じる方も多いでしょう。
一般的な一戸建てやマンションのインスペクション費用は、おおむね5万円から7万円程度とされることが多く、調査範囲が広がるほど金額が上がる傾向にあります。
たとえば、床下や屋根裏の詳細な点検を含む場合や、耐震診断をセットで依頼する場合は、さらに追加費用がかかることもあります。
また、調査会社や地域によって費用相場が異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取り、比較・検討することがおすすめです。
インスペクションは高いと思われがちですが、物件の状態を客観的に把握できるため、結果として修繕費用や売買後のトラブルを最小限に抑えられるというメリットがあります。
将来的なリスクを回避するための投資と考えると、費用対効果は決して低くありません。

インスペクションをおこなう「インスペクター」と「既存住宅状況調査技術者」

インスペクションを実施するのは、「インスペクター」と呼ばれる専門家です。
インスペクターは建物の構造や設備に関する知識を持ち、劣化状況の確認や雨漏り、シロアリ被害の有無など、建物の健康状態を幅広くチェックします。
とくに、一定の要件を満たして登録された「既存住宅状況調査技術者」は、国土交通省が定める基準に基づき、より公的な立場で調査をおこなう資格者です。
建築士の資格を有していたり、専門的な講習を受けていたりするため、より信頼性の高い報告が期待できます。
調査結果は「建物状況調査報告書」としてまとめられます。
構造上の問題点や設備の不備を指摘するだけでなく、今後必要となるメンテナンスの時期や費用の目安についてもアドバイスを受けることが可能です。

インスペクション費用を抑えるポイントと上手な活用法

インスペクションにかかる費用は、調査範囲や依頼先によって大きく異なります。
費用を抑えるには、まず自分がどの程度の調査を希望しているかを明確にすることが大切です。
また、費用を抑えつつ正確な診断を得るためには、信頼できるインスペクターや既存住宅状況調査技術者を見つけることが重要です。
費用の安さだけで選ぶのではなく、過去の実績や口コミ、資格の有無をしっかり確認し、自分のニーズに合った専門家に依頼しましょう。

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まとめ

不動産売却におけるインスペクションとは、住宅の専門家(建築士など)が物件の劣化状況や欠陥の有無を調査することを指します。
売却前にインスペクションを実施するメリットは、建物の状態を詳細に把握でき、安心して取引できること、買主とのトラブルを回避できる点です。
費用相場は5万円~7万円ですが、調査内容や調査範囲によって異なります。

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リゴ不動産

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